突然ですが、皆さんが好きな吹奏楽曲はありますか?
今回ご紹介するのは、吹奏楽の人気吹奏楽曲の1つである「鷲が舞うところ」!
壮大なメロディから一度聴いて好きになったという人も多いのではないでしょうか?
この記事では、吹奏楽の人気曲の1つである「鷲が舞うところ」について詳しく解説していきます!
「鷲の舞うところ」ってどんな曲?
「鷲の舞うところ (原題:Where Eagles Soar)」はアメリカ出身の作曲家であるスティーヴン・ライニキー(Steven Reinek)によって作曲された曲です。
曲名の訳として「鷲が舞うところ」や「鷲の高く舞うところ」などいくつかありますが、「鷲の舞うところ」と呼んでいる人が多い印象ですね。
彼の作品は親しみやすい曲調のものが多く、人気作品も多く出版されています!
例えば、
「セドナ」
「神々の運命」
はライニキーの作品でも比較的演奏される機会が多い印象です!
それで、この「鷲の舞うところ」の魅力として、
等が挙げられます!
吹奏楽ならではの力強さと美しさを兼ね備えた作品であり、演奏する側にとっても聴衆にとっても感動的な楽曲といえます。
まさしく、鷲が飛翔する姿を想起させる、のびやかで壮麗なメロディです!
演奏会のオープニングやフィナーレとしてぴったりの1曲といえるでしょう!
なぜ鷲をテーマにした曲なの?
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引用:世界の雑学ノート アメリカの国鳥|ハクトウワシが象徴となった歴史と生態 | 世界雑学ノート
アメリカと言えば上の画像のような「ハクトウワシ」が有名であり、このハクトウワシをテーマにしたと考えられます。
日本の国鳥と言えばキジですが、実はハクトウワシってアメリカの国鳥でもあるんですよね。
見た目としても美しくかっこいいと評判が高いです!
国鳥としてのハクトウワシのイメージとして、
・大空を悠々と飛ぶ姿 → アメリカの広大な自然と開放感
・力強い翼と鋭い眼差し → 勇敢さと誇り高い精神
・独立戦争時代から続く象徴 → 自由と独立の象徴
等が挙げられます。
ライニキー本人もアメリカ出身であることから、アメリカの大自然や愛国的なテーマを反映したのでしょう。
また、ハクトウワシの動きを曲と結びつけると、
・優雅に空を滑空する→レガートで流れる旋律
・風を切るように加速する→力強いブラスのファンファーレ
・高く舞い上がり、頂点に達する→クライマックスに向けた盛り上がり
というように関連づけることができます!
すなわち、まさしく「ハクトウワシが空を舞う情景」をこの曲は音楽で描いていると言えるでしょう!
曲の構成と演奏のポイント!
1. ファンファーレ
金管楽器が華やかなファンファーレを奏で、壮大な雰囲気で曲が始まります!
金管はクリアで輝かしい音色を意識し、音がこもらないようにしっかりと息を使って響きを作りたいですね。
一方で、木管は金管に埋もれがちなので、金管に埋もれないように、明瞭な発音を意識しましょう!
伴奏の動きはリズムをはっきりとしたいですね。
また、パーカッションはリズムに勢いを与え、音楽の推進力を作ります。
冒頭の音楽は堂々としており、まるでワシが羽ばたきながら飛び立つかのような印象といえるでしょう!
2. 序奏
冒頭が終わると、木管楽器による流れるような旋律がメインとなります。
鷲の優雅な飛翔を表現しているような印象を受けますね!
木管は「風に乗るような旋律」を意識してレガート奏法をし、フレーズの終わりがぶつ切れにならないように息の流れを一定に保ちましょう。
一方で、金管楽器は背景として和音を支え、打楽器は控えめになるのが特徴です。
なので、いずれも前に出過ぎずに木管の旋律を支える役割をしましょう!
序奏はしなやかで歌うような表現が求められる部分と言えますね!
3. 中間部
中間部では一転して雰囲気が変わり、哀愁を帯びた旋律が登場します!
ここでは、豊かなビブラートを使って情感たっぷりに演奏しましょう!
それぞれの楽器が目立つところは、そのパートを引き立たせるように演奏できるとよいですね。
正確に演奏し、また強弱のバランスにも注意してみてください。
打楽器はクライマックスに向けて徐々に盛り上げる意識をしましょう!
4. クライマックス
中間部が終わるとテンポが戻り、最初のテーマが再登場するところです。
また、全体で一体となり、曲の最高潮へ向かっていきます!
一体感が必要なので、全体のバランスにも注意したいところですね。
また、木管は速いパッセージの精度を上げて、テンポに遅れないようにしましょう。
打楽器は各パートで盛り上がりを演出します!
最後は壮大な和音で締めくくられるので、各パートの役割を意識して音の重なりを美しく出来るとよいですね!
打楽器演奏のポイント!
ここからは、筆者自身がパーカッション経験者ということで、少し打楽器演奏のポイントについて解説していきます。
パートとしては、
Timp. Mallet Perc. Perc. (S.D. B.D. Cym. S.Cym. Wind Chime)
があります。
打楽器が大きく全面に出て目立つ場面はそれほど多くないですが、全体に推進力を与える役割をします!
まず、冒頭からTimp.がソロを担うんですよね!
決して難しいリズムではないものの、冒頭でミスってしまうと後の流れが良くなくなるので、しっかりと決めてください!
特にTimp.の装飾音はS.D.とは違い、シングルストロークで演奏する必要があります。
慣れていないと難しいので、ここは重点的に練習するとよいでしょう。
また、テンポが速いところはS.D.のリズムが全体を率いるような感じになります。
必ずテンポキープをし、速くなったり遅くなったりしないように気を付けてくださいね。
加えて、この曲はクレッシェンドが複数出てきます。
クレッシェンドは個人的に打楽器の一つの見せ場であると考えているので、S.Cym.などしっかりと音量変化をつけるようにしましょう!
最後に、終盤は音を止めるところ(休符)があります。
音を止めるところはしっかりと楽器を手で抑えるなどして、「静」を与えるのが重要です!
演奏していて楽しい曲なので、ぜひ練習頑張ってみてください!
最後に
いかがでしたか?
今回は、スティーヴン・ライニキー作曲の「鷲の舞うところ」について解説してきました。
親しみやすい曲調でオープニング等にも相応しい「鷲の舞うところ」。
演奏会で演奏するにはぴったりの1曲ですので、選曲を考えてみてください!
ぜひ、参考にしてみてくださいね!
・流れるようなメロディ
・シンフォニックなファンファーレスタイル
・大空を舞うような旋律
・リズミックなエネルギーと躍動感