A.リード氏は吹奏楽界における代表的な作曲家で、2021年が節目となる生誕100周年であり、再度彼に注目が集まっています。
A.リード氏が作曲された曲は名曲ばかりですが、その中でも人気曲はどれか気になりますよね。
そんなあなたにおすすめしたい、彼の作品の中でもよく演奏されている曲があります。
この記事では、A.リード氏が作曲した曲の中でも特に人気のある曲をご紹介します!
アルメニアン・ダンス (Armenian Dances)
「アルメニアン・ダンス」は、A.リード氏が作曲した曲の中でも最も有名な曲と言っても過言ではないでしょう!
演奏したことがないという人でも、曲名ならば聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか?
アルメニアン・ダンスには、パートⅠとパートⅡがありますが、より演奏される機会が多いのは上記の動画で演奏されているパートⅠです。(パートⅡも名曲であることに間違いないのですが…)
ということで、ここではパートⅠについて深くご紹介します。
「アルメニアン・ダンス パートⅠ」は、以下の5曲で構成されています。
「杏の木」冒頭の「パパパーン」というフレーズを聴くだけで、「アルメニアン・ダンスだっ!」と分かる吹奏楽経験者は多いはず。それだけ有名なフレーズです!
1度も聴いたことがないという人も、まずは「杏の木」を聴いてみましょう!これだけでも価値がありますよ。
「ヤマウズラの歌」の「ヤマウズラ」とはアジアからヨーロッパにかけて生息している鳥のことです。可愛らしい雰囲気で聴いていて癒されるでしょう。
「おーい、僕のナザン」は、5/8で進行するリズムが楽しい部分です。パーカッションのアンサンブルが重要となってくるところでもありますよ!
「アラギャズ山」は、曲中で最も美しい音楽が奏でられるところと言えるでしょう!ここでどれだけ音楽表現が出来るかがこの曲の演奏の鍵となります!
「行け、行け」は、個人的には、演奏側としても聴く側としても一番楽しいところです!強弱の変化やノリの良さが魅力的です。
吹奏楽に携わる人ならば、ぜひとも一度は演奏してみたいA.リード氏の名曲です!
エル・カミーノ・レアル (El Camino Real)
‘El Camino Real(エル・カミーノ・レアル)‘はスペイン語で、「王の道(The Royal road)」という意味です。
ちなみに、’El Camino Real’という街道は実際にカリフォルニア、フロリダ、メキシコなど複数の地域に存在します。
この曲は、「エルカミ」の略称でよく知られていますね!
タイトルがスペイン語ということからも分かるように、スペインの音楽を基調とした曲です。スペイン系の曲は意外と吹奏楽曲にあります。
例えば、2016年度の課題曲であった「スペインの市場で」なんかもそうですね。こちらの曲については以下の記事でご紹介しました。
「急」-「緩」-「急」という典型的な構成ですが、単純なつくりに感じさせない名曲の1つです
冒頭から引き込まれる音楽ですよね!エルカミと言ったらこのテーマが思い浮かびます。同じメロディー(変調)が終盤にも登場します。
中間部は美しいです。個人的には、上記の演奏動画の3:00あたりから登場するOboeのSolo.が好みです。
ただ、中間部は〇/8拍子(7/8→8/8→6/8)で進行するので、慣れないと少し演奏しにくさを感じるかもしれませんね。
演奏会で映える曲ですので、ぜひともおすすめしたい1曲です!
オセロ (Othello)
歌劇「オセロ」はシェイクスピア作品の1つで、この作品につけられた音楽がこの「オセロ」という曲です。(どちらの「オセロ」を指すか紛らわしくてすみません)
シェイクスピアの作品としての「オセロ」のあらすじは、Wikiを見た方が早そうですね。以下にリンクを貼っておきますが、物語はそこそこ胸糞悪い…(笑)
A.リード作曲の「オセロ」は以下の5曲からなっています。
Prelude (Venice) [前奏曲 (ヴェニス)]
Aubade (Cyprus) [朝の音楽 (キプロス)]
Othello and Desdemona [オセロとデズデモナ]
Entrance of the Court [延臣たちの入場]
The Death of Desdemona, Epilogue [デズデモナの死、終曲]
前奏曲は、冒頭から壮大で聴く人を圧倒します。この前奏曲だけでもかなりの聴きごたえがあります。
パーカッションをやる身としては、最後の銅鑼のロールが良いなぁと感じますね。銅鑼のロールをここまで聴かせられる曲はなかなかありません。
朝の音楽は、先ほどから一変して可愛らしい雰囲気です。強弱の差が意外と激しい部分でもありますよ。
オセロとデズデモナは、悲壮感漂う雰囲気です。比較的Solo.演奏となる部分が多いので、奏者個人の技量が試されるところと言えるでしょう!
延臣(ていしん)たちの入場は、明るいファンファーレから始まります。個人的には打楽器の演奏ではここが1番楽しかったです(笑)
終曲では、最初の主題が再度形を変えながら現れてきます。物語(第5幕)は展開が激しく、それに従い登場人物の感情を表すかの如く激しい部分と悲しい部分が混在しています。
物語を知ったほうがこの曲をより楽しんで聴くことが出来るでしょう!以下のサイトでは、物語の全編が記載されています。
http://james.3zoku.com/shakespeare/othello/index.html
「オセロ」はおそらくコンクール向きな曲で、コンクールでかなり演奏されている曲と言えます(実際、かなりの数の全日本吹奏楽コンクールの音源がyoutube上に上がっています)。
コンクール曲の選曲に迷ったら、この曲の演奏を考えるのもありですよ!
春の猟犬 (The Hounds of Spring)
「春の猟犬」は、イギリスの詩人が書いた詩劇にインスパイアされてA.リード氏が作曲した曲です。
「急」-「緩」-「急」の構成で書かれている曲で、多くの部や楽団で演奏されてきた曲でもあります!
昔、筆者自身は演奏した記憶がありますが、この曲はパーカッションよりも管楽器が躍動する曲の印象です。
もちろん、打楽器が目立たないという訳ではないですが(最後はティンパニのSolo.ですし)、おそらく管楽器の方が演奏が難しいと思います。
「急」の部分は6/8拍子の独特なリズムなので、演奏は慣れないと少し難しさを感じるでしょう。音符も細かいです。
しかし、そこがこの曲の面白さであり、聴いていて楽しいところでもあります!
「緩」の部分は、非常に美しいメロディーで聴き心地が良いですよね。パート間のアンサンブル力や表現力が問われます。
A.リード氏の代表曲の1つで名曲なので、聴いている人を魅了できるでしょう!定期演奏会などで演奏してみてはいかがでしょうか?
最後に
いかがでしたか?
今回は、A.リード氏の人気曲についてご紹介してきました。
以上の曲が人気曲であることは間違いないですが、彼が作曲した曲はまだまだあります。例えば、吹奏楽のための第一組曲及び第二組曲、第三組曲も人気です。
例えば、第一組曲の中の1曲である「ギャロップ」は耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか?以下にリンクを貼っておきます。
A.リード氏の曲は名曲ばかりですので、吹奏楽に携わる人ならばこれらだけに限らず彼の作った作品をたくさん聴いて欲しいです。
ぜひ参考にしてみてくださいね!
Tzirani Tzar (杏の木) (上記の動画では~2:00)
Gakavi Yerk (ヤマウズラの歌) (2:01~3:28)
Hoy, Nazan Eem (おーい、僕のナザン) (3:29~6:02)
Alagyaz (アラギャズ山) (6:02~7:04)
Gna, Gna (行け、行け) (7:05~)