【吹奏楽名曲】「風紋」課題曲版と原典版の違いなど解説!

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突然ですが、皆さんが好きなコンクール課題曲は何ですか?

今回ご紹介するのは、吹奏楽の人気課題曲の1つである「風紋」

かなり昔の課題曲ではあるものの、よく演奏される課題曲なので知っている方も多いのではないでしょうか?

この記事では、吹奏楽コンクール課題曲の名曲「風紋」について詳しく解説していきます!

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「風紋」ってどんな曲?

「風紋」保科洋さんによって作曲された曲です。

様々な人気曲を作曲されている方なので吹奏楽をしている人ならぜひ知っておきたい作曲家と言えるでしょう!

吹奏楽作品だけでなく、管弦楽作品も数多く手掛けています!

例えば、吹奏楽コンクールでもよく演奏される

「復興

は保科さんが作曲された曲なんですよね!

「復興」(保科洋)について解説!曲の背景や特徴などまとめ

また、吹奏楽コンクール課題曲に関してはなんと以下の4曲も委嘱されて作曲されています!

・「カンティナーレ」(1976年課題曲)

・「風紋」 (1987年課題曲)

・「アルビレオ」 (1998年課題曲)

・「インテルメッツオ」 (2017年課題曲)

このうちの1つが今回ご紹介する「風紋」です。

上記から分かるように1987年に課題曲として出版された曲なんですよね。

約40年前にもなりますが、それでも人気が高く今でも様々な吹奏楽団から演奏されています!

そんな「風紋」は風が吹き抜けるような流れる旋律と、豊かな響きが特徴で、

・流れるようなメロディ

・静と動の対比

・独特な和音と響き

・風のようなリズムの動き

などが魅力として挙げられます!

その表現豊かな作品から、この曲は課題曲の枠を超えて、吹奏楽の名曲として広く演奏されています!

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「風紋」は2種類存在する?

結論から言うと、「風紋」は課題曲版と原典版があります!

『えっ?なんで2種類存在するの?』

と思いますよね。

作曲背景について、

「風紋」は課題曲として出版された作品ですが、吹奏楽コンクールは制限時間があるため比較的短い曲にする必要があります。

そこで、保科さんは最初に構想を練っていた曲を削って課題曲として出版されたそうです。

吹奏楽コンクールでは、自由曲を演奏する際に一部削る必要があることも多いですよね。

要するに、課題曲版は吹奏楽コンクールのために仕方なく時間に収まるようにしたという経緯があります。

ただ、当然課題曲用に削っていないバージョンがあり、それが原典版として後に出版されました。

それで2種類の「風紋」が存在するんですね!

大まかにはなりますが、簡単に原典版と改訂版を比較するとこんな感じ。

項目 原典版(オリジナル版) 改訂版(1987年課題曲版)
演奏時間 5分半~強 7分強
構成・曲の流れ 全体的に自由なフレージング 音楽の流れが整理され、まとまりが良い
オーケストレーション 楽器の厚みがあり、響きが豊か 音域バランスが整えられ、クリアに
リズムの処理 リズムがやや複雑で、難しい 合わせやすく、より演奏効果を高めている
和声・ハーモニー 和音の響きが濃く、テンションが強い 和音を整理し、吹きやすくした
難易度 高め 少し演奏しやすいが、表現力が求められる

ただ、これはあくまで目安なので実際に聴いて比較してみてください!

こちらの演奏動画は「風紋」の原典版となります。

先に載せた課題曲版とぜひ聴き比べてみてほしいです!

どちらのバージョンを演奏する?

吹奏楽コンクールや一般の演奏会では、多くの団体が「改訂版」を選ぶ
→ バランスが整っており、響きがクリアで演奏しやすい。

より原曲に忠実な響きを求めるなら「原典版」
→ 音の厚みやテンションのある和声を楽しめるが、アンサンブルが難しい。

原典版と改訂版を比較することで、曲の解釈が深まる!
→ どちらも魅力的な特徴があり、演奏する団体の方向性によって選ぶのが良い。

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曲の構成と演奏のポイント!

1.  序奏

この曲は、柔らかく神秘的な導入から始まります!

低音楽器の静かな持続音の上に、木管楽器は特徴的な和音を演奏します。

ここで、低音楽器(チューバ、コントラバスなど)は安定した響きを作ることを意識しましょう!

全体としてはフレーズの伸びやかな表現を意識し、強すぎず、でも芯のある音で吹くようにしましょう!

歌うように流れる感じで演奏し、緊張感を持たせたいです。

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2. 中間部

中間部ではテンポが少しずつ速まり、風が動き出すような雰囲気になります。

木管楽器の 16分音符の細かい動きが徐々に増え、緊張感が高めってきますね。

この16分音符の動きが崩れると全体の流れがぼやけるので、正確に演奏したいです。

また、金管が短い音型でリズムの輪郭を明確にします。

金管のスタッカートは クリアに短く、でも音が軽くならないようにしましょう!

加えて、クレッシェンドをしっかりつけて、次の部分への流れを作ることを意識してください!

3. 主部

続いて、メインテーマが登場して風が勢いよく吹くような雰囲気になります。

リズムの切れ味があり、吹奏楽らしいエネルギッシュな音楽です。

木管の細かいフレーズ金管の力強い旋律が対比的に現れるのが特徴です!

ここでは16分音符のフレーズは粒をそろえて流れるようにし、金管楽器はしっかりとした音圧で、ただ無理に強く吹きすぎないように注意してください!

また、音量のバランス やテンポを乱さないようにすることを意識できるとよいです。

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4. クライマックス

そして、盛り上がりが最頂点に達すると楽曲全体のピークとなります!

トランペットやホルンといった金管楽器が突き抜けるような旋律を奏で、低音楽器が重厚なリズムを刻みます。

金管は音が 割れないように深みのある音で鳴らし、木管は音量が負けないようにしっかり吹きましょう!

また、低音楽器のリズムが基盤にもなるので、しっかり安定させることを意識できるとよいですね。

加えて、クレッシェンドを最大限活かして、ダイナミクスのコントラストをつけて演奏してください!

打楽器演奏のポイント!

ここからは、筆者自身がパーカッション経験者ということで、少し打楽器演奏のポイントについて解説していきます。

この曲はパーカッションがすごく目立つ曲というわけではありませんが、要所要所で重要な役割を果たします!

人数としても少なくとも4~5人くらいは欲しいところです!

Wind ChimeやTamb.といった小物打楽器が目立つところも特徴的なので、たとえ人数不足でもこれらを必ず演奏するようにしてください。

音量の起伏がある曲なので、盛り上がりとなるところではクレッシェンドをしっかりとつけましょう!

音量のメリハリをつけることが重要となります。

管楽器の和音や旋律が大事な曲なので、つぶさないように音量バランスに気を付けてください!

また、クライマックスのTimp.はがっつりと音量を出してカッコよく決めれるようにしたいですね。

比較的ハードなマレットを使うとよいでしょう。

この曲は、打楽器に関して難しい演奏技術が求められるわけではありませんが、表現力が重要です!

全体のバランスを見たり、音量変化に気を付けるなどの表現を磨いていきましょう!

最後に

いかがでしたか?

今回は、保科洋さん作曲の「風紋」について解説してきました。

歴代課題曲の中でもトップクラスの人気を誇る「風紋」

演奏会でぜひ曲目に入れてみることをおすすめします!

ぜひ、参考にしてみてくださいね!

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