吹奏楽の人なら誰しも、今年の吹奏楽コンクールの課題曲について気になりますよね?
この記事では、2021年の吹奏楽コンクール課題曲5曲を解説しながらご紹介します!
Ⅰ トイズ・パレード
「トイズ・パレード」は平山雄一氏によって作曲された曲です。
作曲者である平山氏によると、この曲を作曲するにあたっての目標は、
だそうです。
軽快なメロディーで、この曲を聴く人を誰でも楽しい気持ちにしてくれますね!
また、課題曲は長時間取り組む曲なので、平山氏が掲げる目標は演奏者にとって嬉しい配慮でしょう。
加えて、平山氏はこの曲を物語性のある曲に仕上げることを望んでいます。
皆さんはこの曲にどのような物語を見出すでしょうか?
この曲の曲名は「トイズ・パレード」ですから、おもちゃたちが楽しげに歩いたり、行進したりする様子が想像されます。
私的には、この曲を聴いて、どちらかというと懐かしのおもちゃたちが歩いている様子が思い浮かべられました。
各々が「トイズ・パレード」の物語を想像し、部員、団員の人たちで自分が想像した物語を共有しましょう!
演奏する際には、楽しみながら自分たちだけの「トイズ・パレード」を作り上げてくださいね!
Ⅱ 龍潭譚
「龍潭譚」は、佐藤信人氏によって作曲された曲です。
この曲名の読みは「りゅうたんだん」で、その名は泉鏡花によって書かれた文学作品に由来しています。
彼の作風は幻想的といわれており、龍潭譚では主人公である1人の少年が神隠しに遭うストーリーとして展開されます。
また、作品中の情景描写は美しく、龍潭譚では一面のつつじが描かれます。
この泉鏡花の龍潭譚をもとに作曲されているため、この曲は和風な雰囲気を漂わせ、幻想的な世界観が生み出されています。また、全体的にどこか悲しげで儚い様子が感じられます。
この曲を演奏する際には、ぜひ一度泉鏡花が書いた龍潭譚とはどのような作品なのか目を通してみましょう!比較的短いので、現代語訳されているものならすぐ読めますよ!
例えば、以下のサイトでは現代語訳された龍潭譚が紹介されています。
https://ncode.syosetu.com/n4835es/
演奏的な観点では、この曲はソロ演奏が多く、当然と言えば当然ですが、ごまかしはきかず、個人の演奏技術、表現力が大きく問われることになります。
コンクールのような会場でのソロ演奏は一層緊張するでしょうが、むしろそれは自分の晴れ舞台だと割り切って、素敵に演奏してくださいね!
Ⅲ 僕らのインベンション
「僕らのインベンション」は、宮川彬良氏によって作曲された曲です。
この曲は、テンポと拍子の変化に非常に富んだ曲です。メインとなるテーマがこのような変化をつけて何度も現れます!
しかし、テンポ変化や変拍子に慣れていないと、演奏するには少し取り掛かりにくい曲でしょう。
作曲者である宮川氏によると、この曲は音楽理論の素晴らしさを謳歌するような曲であり、そのキーワードは「導音」です。
この曲に取り組む際は、音楽理論にあまり興味がない人も一度調べてみると良いと思います。新たな発見が生まれ、曲をより魅力的に感じられますよ!
パーカッションパートを担当していた身としては、やっぱり最後のソロのシンバルが気になりますね。
コンクール会場という舞台で課題曲の締めを飾るソロのシンバル1発。これは緊張します…(笑)良かれ悪かれ、誰かしら審査員の方が触れるのは確実。しかし、決めれれば最高!
この曲のシンバルを担当する人は、何度も練習して本番でぜひかっこよく1発決めてください!
Ⅳ 吹奏楽のための「エール・マーチ」
『吹奏楽のための「エール・マーチ」』は、宮下秀樹氏によって作曲された曲です。
テンポは♩=108と比較的ゆったりとした速さで、かつ綺麗な和声なので聴きやすく、この曲を好きになる人も多いでしょう。
また、作曲者の宮下氏によると、この曲名の「エール」は歓声をや応援といった意味のエールです。したがって、明るく、元気をくれるような曲に仕上がっています。
演奏的には、課題曲の中では比較的癖がなく、演奏するには取り掛かりやすい曲であると言えるでしょう。
逆に言えば、マーチらしさあふれるシンプルな構成ですので、魅せるためにはいかに音楽表現をつけていくかが重要になります。
ちなみに、Youtubeのコメントでこの曲がJ・ヴァンデルロースト作曲の「アルセナール」に似ているという意見がありました。こちらは吹奏楽の人気曲の1つですね。
この件ですが、分からなくもない!確かにアルセナールっぽさはあると言えます。スネアドラムとかは似たような技術で演奏出来ると思います。
アルセナールが人気→エール・マーチが人気が成り立つかも…?
実は、この話が出るのってこの「エール・マーチ」が初めてじゃないんですよね(笑)そういう話題が上がっているのが2018年の課題曲です。似た曲を聴くのは参考になりますよ!
Ⅴ 吹奏楽のための「幻想曲」ーアルノルト・シェーンベルク讃
『吹奏楽のための「幻想曲」-アルノルト・シェーンベルク讃』は、尾方凜斗氏によって作曲された曲です。
アルノルト・シェーンベルクは、オーストリアの作曲家であり、十二音技法を創始したとして知られています。
十二音技法とは、1オクターブにある12音を均等に使用するという技法です。
いろんな曲を演奏していると分かると思いますが、たいていの曲では音が偏って出てきます。
なぜ、偏りを持って音が出てくるかというと、均等に出てくる、つまり十二音技法を用いてつくられた音楽の多くは不協和音に聞こえるからです。
この曲は、そんな十二音技法の創始者であるアルノルト・シェーンベルクを讃えて作曲されていることから、不協和音が出てきます。
しかし、私的には課題曲Ⅴとしては、それほど意味わからんって感じの曲ではないと思うので、一度聴いてみてください!
ただ、演奏においてはラチェットのソロがあったり、ため息があったり、複数人で笛の演奏があったりと通常みられないような指定が散りばめられています。
これを面白いと捉えるか、嫌と捉えるかはあなた次第です。どうせなら、興味深いこの曲を楽しんで演奏してみましょう!
最後に
いかがでしたか?
今回は、2021年(2020年)の吹奏楽コンクール課題曲がどんな曲なのかご紹介しました。
どの曲にも作曲者の思いが込められているので、その思いをくみ取りながら楽しんで演奏してみてください!
また、以下の記事では他年度の課題曲の解説や歴代の課題曲のうち人気がある曲や名曲などについてまとめています!これらも要チェック!
ぜひ参考にしてみてくださいね!
・音楽経験のない人にも親しみやすいこと
・少し難易度が高く、取り組みがいがあること
・長い時間かけても練習を楽しめること