吹奏楽界の難曲の1つとして名高い「フェスティバル・ヴァリエーション」。
この曲がどんな曲か詳しく知りたいと思っていませんか?
この記事では、吹奏楽曲「フェスティバル・ヴァリエーション」について解説していきます!
「フェスティバル・ヴァリエーション」とは?
「フェスティバル・ヴァリエーション(Festival Variations)」は、クロード・トーマス・スミス(C.T.スミス)氏によって作曲された曲です。
C.T.スミス氏は吹奏楽界では有名な作曲者であり、彼の代表曲として、
「華麗なる舞曲」
「ルイ・ブルジョワの賛歌による変奏曲」
などがあります。
特に前者の曲名は、吹奏楽をやっている方なら一度はどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?
そんな彼が作曲した「フェスティバル・ヴァリエーション」には、以下の3つの特徴があります!
どれも演奏するにはぞっとするような特徴ですよね(笑)
それでは1つ目からご説明していきます!
特徴① 異名「ホルン殺し」
この曲は「ホルン殺し」と言われています!
ホルン奏者の方からしたら物騒以外の何物でもありませんよね(笑)
このように呼ばれる所以として、音域の広さやHighFのロングトーンなどの高等技術が要求される部分が譜面に盛りだくさんだからだそうです。
私はホルンに関して全く詳しくありませんが、そのような初心者でもこの曲のホルンのメロディーは音域が広そうで絶対大変だろうなと感じます。
なぜ、この曲の譜面はホルンが難しく書かれているのか?その背景には以下のような逸話があります。
実は、作曲者のC.T.スミス氏はホルン奏者あり、この「フェスティバル・バリエーション」は、アメリカ空軍バンドのために作曲された委嘱作品です。
そして、このアメリカ空軍バンドのホルンパートにはC.T.スミス氏のライバルがいたそうで、そこで彼はあえてホルンを難しい譜面にしたそうです。
まさに、作曲者だからこそできる所業…(笑)
ホルンは「世界で一番難しい金管楽器」とギネスに認定されていることもあってそもそも難しいですが、加えて譜面がえぐいとなると相当つらいでしょう。
この曲を演奏するためには、部(楽団)に技術に優れたホルン奏者がいることが必須条件かもしれませんね。
特徴②グレード6の難曲
先に述べたようにホルンが難しいことは間違いないですが、他のパートも引けを取らないほど難しいです。
実際、この「フェスティバル・バリエーション」は実質吹奏楽曲の中で最も難易度が高いとされるグレード6に分類されています。
先に挙げた2曲も同じくグレード6の難曲なので、そもそもC.T.スミス氏はハイレベルな曲を好んで作曲している傾向がありますね。(彼はSっ気があるのでしょうか…?)
この曲の難しいポイントの1つが変拍子です。
例えば、上記の動画の1分あたりからのメロディーは初めて聴くと、かなり拍子がとりにくいのではないでしょうか?
特に7/8拍子に対しては耐性が無い人が多いと思われるので、練習し始めはかなり演奏のしにくさを感じることと思います。
それ以外にも、強弱やテンポが複雑に変わるなど難しいポイントがたくさんあります。
まさにグレード6にふさわしい難易度を誇っている曲と言えるでしょう!
特徴③ソロ演奏の多さ
皆さんはソロ演奏はお好きでしょうか?
この曲は全体を通して比較的ソロ(ソリ)演奏が多いです。
冒頭にはホルン、ピッコロ、トランペットなどのソロが登場し、中盤にはホルン、チューバ、ユーフォ、バスクラ、ファゴットとソロ演奏が続きます。
特に中盤のソロ演奏(下記の動画)はまさに独壇場です!
また、パーカッションにもティンパニをはじめとしたソロ演奏がところどころに登場してきます。
つまり、様々な楽器にスポットライトがあたるので、すべての楽器が目立つ曲と言えるでしょう。
言い換えれば、それだけ高い演奏技術が全パートに要求されるということです。
もし「フェスティバル・バリエーション」を演奏するとなればソロ演奏を担当する可能性が割と高いので、選曲の際はぜひその点も考慮してみてくださいね!
曲のカギとなる「スネアドラム」
この曲は1回聴けば分かるようにパーカッションは非常に重要で、打楽器のレベルが演奏の完成度に直結します。
打楽器がいずれも目立つことは間違いないですが、その中でもカギとなるのはスネアドラムです。
そこで、そのスネアについて少し解説していきます!
実はこのスネアの譜面では、2つ打ち(ダブルストローク)や装飾音符などの高等テクはそれほど出てきません。
つまり、基礎がしっかりと備わっている方ならば、(アクセントや音量変化を無視すれば)とりあえず叩くことが出来ると思います。
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ここであえて、「アクセントや音量変化を無視すれば」という言い方をしたのは、そこがこの曲のスネアの難しいところだからです。
この曲のスネアの譜面で特徴は、クレッシェンド、デクレッシェンドやアクセントなどの音楽表現が細かく設定されているところにあります。
例えば、終盤(下記の動画)で、スネアの音量がかなり変化していることは打楽器パートじゃない人でもよく分かるでしょう。
このように、スネアによる音楽表現が肝となるので、もしコンクールで演奏するならそこが点数に直結すると思います。
スネアでの音量変化は、この動画のように叩く位置や高さを変えるなどをして調節することが出来ます。
1小節の間で音量を変化させるというのがこの譜面には沢山出てきますが、そのような音量をすぐに、滑らかに変化させることが出来るようには慣れが必要です。
一度この部分だけを何度も練習するのもいいかもしれません。
ぜひ、いろいろと研究してスネアを演奏して欲しいと思います!
最後に
いかがでしたか?
今回は、吹奏楽界の難曲「フェスティバル・バリエーション」についてご紹介してきました。
この曲はどのパートも難しいですが、曲を仕上げることが出来れば観客の度肝を抜けること間違いなし!
何度も練習すれば必ずできるようになるので、始めから自分たちには無理だと諦めずにぜひともこの曲に挑戦してみて欲しいと思います!
①異名「ホルン殺し」
②グレード6の難曲
③ソロ演奏の多さ