吹奏楽コンクールが続々と開催されているこの時期。
演奏はもちろん大事ですが、忘れてはいけないことがあります。それが打楽器搬入です。
その打楽器搬入についてどうしようかなと悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
そんなあなたに、この記事では筆者の経験を踏まえて打楽器の搬入について詳しく解説していきます。
吹奏楽コンクールの打楽器搬入について困っている方は必見です!
吹奏楽コンクールの打楽器搬入について
全日本吹奏楽連盟が定める「全日本吹奏楽コンクール実施規定」には、打楽器搬入に関して特に触れられておりません。
http://www.ajba.or.jp/00ajba/07_pdf/kitei/3_concours_kitei.pdf (全日本吹奏楽コンクール実施規定)
経験上、打楽器運搬に関しては各支部大会の運営側から各団体に書類が渡され、そこに細かい記載が書かれていることが多いと思います。
ただし、全国統一のルールがないとしても吹奏楽コンクールでは各団体には持ち時間があり、その時間にはそれほど余裕がないため、打楽器の搬入は早急に終わらせる必要があります。
各都道府県(地区)によって搬入方法に若干の違いがあるかもしれませんが、打楽器搬入は素早く終わらせるのがマナーです。
長くとも、3分以内で済ませるのが良いでしょう!
3分という時間を長いと感じるか、短いと感じるかは場合によると思いますが、特に策もなくぶっつけ本番でやるとあっという間に3分を超過してしまいます。
よって、コンクール本番前にどのように打楽器を搬入するべきかはあらかじめ議論しておくことが必要です。
筆者自身もパーカッションの人間ですので、吹奏楽コンクールにおける打楽器の搬入にはかなり苦労した経験があります。
そこで、以下に筆者の経験を踏まえて打楽器搬入の方法について解説していきます!
まずは打楽器の配置を定めよ!
打楽器の搬入に際して、まず何をすべきか。それは、打楽器の配置を決めることです。
各打楽器をどこに配置するかが決まっていなければ、搬入が始まりません。
打楽器の配置に関して、ステージ(ひな壇)の一番高い位置(客席から見て一番奥側)、上手側(客席から見て左側)のどちらか、もしくはその両方に配置することが多いです。
よく見かける配置方法としては、ティンパニがひな壇の1番上(もしくは真ん中の段)で、太鼓系はひな壇か上手側、鍵盤系は上手側という配置があります。
例えば、以下の動画はよく見かける打楽器の配置の仕方ですね。
ただし、このような打楽器の配置がよく採用されているとはいえ、これが必ずしも正解というわけではありません。
というのも、演奏する曲をどのようなバランスで聴かせたいかは各団体によって異なり、それによって打楽器の最適な位置も変わるからです。
また、打楽器奏者は複数の楽器を兼任するパートなので、各自の楽器間の移動が可能な配置にすることを忘れてはいけません!
ステージ上で走れば違う楽器の演奏に間に合うというのは見た目的にナンセンスで、できる限り歩いても間に合うような配置にしましょう(減点はないかもしれませんが…) 。
これらを考慮して打楽器の配置を定めていくことが重要です。
なので、最初はパート全員の移動が間に合う配置に設定し、そのあと少しづつ変更していくというのが個人的におすすめです。
特に、各打楽器の配置で演奏を指導者(など)に聴いてもらい、どの配置での演奏が良いか決めてもらうのが良いでしょう。
打楽器をどこに配置するべきかはバンドのバランスで変わるものなので、各団体で最適解を見つけるのが良いと思いますが、Youtubeの演奏動画を参考に配置するのもありだと思います。
実際、Youtube上には上手い演奏、参考になる演奏がたくさんあるので、それを真似て打楽器を配置するのも良いかもしれませんね。
この方法のいいところは、特に考えることなくパート全員の移動を間に合わせるような配置に初めから設定できるところです。
打楽器の配置が変わるだけでその団体の演奏の印象はガラッと変わるものなので、ぜひ自分たちにあった配置を見つけてください!
打楽器の搬入順・搬入人数を定めよ!
打楽器の配置を決めたら、続いて打楽器をどの順番で搬入するか決めましょう!
ただし、これは配置さえ決まってしまえばおおよそ簡単に決定できます。
というのも、基本的にはステージの下手側(搬入する側から見て反対側)に置く打楽器からどんどん配置していけば良いからです。
一般的には、ティンパニを最初に配置した後に、太鼓系、鍵盤打楽器の順で搬入していくことが多いと思います。
搬入の順番が決まったら、次は誰がどの打楽器を搬入するかを決めていきます。
この「誰が」を決める前に、まずこの打楽器の搬入にどれくらいの人員が必要なのか概算する必要があります。
例えば、ひな壇上に配置するティンパニだったら、ひな壇上に持ち上げる専門の人を一人+各ティンパニを運ぶ人(基本的には4人)なので、ティンパニの運搬には計5人必要です。
このように、全ての打楽器を搬入するにはどれくらいの人数が必要なのか頭の中でシミュレーションして概算しましょう!
ただし、この際に注意点が2つあります。
1つ目に、吹奏楽コンクールでは後ろに演奏団体がいるので、ある人がステージに出て打楽器を配置し、再度舞台裏に戻って別の打楽器を持って配置しにいくという行為は迷惑がかかります。
なので、各人が搬入を担当する打楽器は1回で運搬できる量だけにしておきましょう。
そして2つ目に、実際に出場して演奏する人たちは、一緒に搬入を行うのか、もしくは搬入をせずに搬入された打楽器の調整にまわるのか決めておきましょう。
これは搬入補助の人数によって左右されるかもしれませんね。
個人的には、演奏する人は比較的運搬するのが楽なもの(小物打楽器、S.D.、Cym.など)を運び、配置が終わり次第、自分が演奏する打楽器の細かい配置の調整をするのがおすすめです。
このようにしておおよその人数が決まったら、搬入補助としてどれほどの人数が必要なのか決めることができます。
搬入補助をお願いすることになる方は、基本的にステージ上では演奏しない部員+OB・OGです。
つまり、現役の部員で人数が不足しているならば、パートリーダーの人は搬入を手伝ってくれるようなOB・OGを探し、連絡を取らなければなりません。
この連絡を取る作業が人数がたくさん必要な時には割と大変です(笑)
筆者がパートリーダーだったときは、演奏曲がめちゃくちゃ打楽器が必要な曲だったので、かなりこの作業に骨が折れました(笑)
ただし、搬入補助の方がいなければパーカッションパートはやっていけないので、手伝ってくれる方(現役含む)には感謝を忘れずにお願いするようにしましょう!
誰がどの打楽器を搬入するか決めよ!
ここまでで人員の確保が終わったならば、今度こそ誰がどの打楽器を搬入するのかを決めていくことになります。
しかし、正直に言うと、誰がどの打楽器を運搬するべきかというのは特になく、それほど深く考える必要はないです。
ただし、例えばOB・OGで元打楽器パートの人はどの楽器の扱いにも精通しているので、ひな壇で打楽器を持ち上げる専門の係をやっていただくとかはいいかもしれません。
また、搬入補助として手伝ってくれる方の中には(もしかしたら大半かも)、ほかのパートの人で打楽器の扱いに関して詳しく知らない人も多いと思います。
我々打楽器パートの人間も管楽器、弦楽器のことは正直よく知りませんよね(笑)それと同じです。
したがって、例えば、運搬するときにティンパニの縁に触れない、チャイムの叩くところに触れないなどはしっかりと教えておく必要があります。
各打楽器の運搬方法を全員に周知するか、各自担当する打楽器に対してのみ個々に注意点を教えるかはどちらでもいいと思うので、それはパートリーダーの方にお任せします。
コンクール本番で打楽器に支障が出たなんて言ったら最悪なので、「運搬の際の注意点を教える」というのは事前に確実にするようにしてくださいね!
搬入の練習をしておくべきか否か?
結論から申しますと、個人的には搬入の練習をしておくのが良いと思います!
もちろん、各団体が使える設備、施設に制限がありますので、全く同じ練習をすることは難しいかもしれません。
ただ、本番は時間に余裕もなく、かつ各自が緊張していることもあって、ぶっつけ本番だと誰かがやらかす可能性が上がります。
あらかじめその行動をしたことがあるか否かで、大きく違いがでてくることでしょう。
特に、打楽器パートじゃない搬入補助の方にとっては、実際に行動してこそ得られることも結構あると思います。
なので、ぜひ搬入の練習はしておきましょう!
もし搬入の練習をする際には、本番さながら、つまり実際に舞台裏に打楽器が置かれている想定の状態をスタートとして搬入を開始します。
最初に述べた通り、搬入はできれば3分以内で終わらせたいので、練習の際はどれくらいの時間がかかるのか計っておきましょう。
3分以内なら上出来ですが、3分を超過してしまうようならばどこかに改善点があると思います。
その際は、搬入する打楽器の順番を入れ替えるなどをしてみましょう!
例えば、ティンパニを持ち上げている段階で並行して小物打楽器を搬入するなどをすることで時間を短縮することができます。
このように実際に練習してみると頭の中でシミュレーションしてたものとは違った結果になることも結構あるので、時間があればぜひやってみてほしいと思います!
最後に
いかがでしたか?
今回は、吹奏楽コンクールにおける打楽器の搬入について詳しく解説してきました。
コンクールに打楽器搬入はつきもので、これをしっかりとこなしてこそ素晴らしい演奏をすることができます。
実際、優れた演奏を披露する団体には打楽器搬入も秩序立ててきちんと行っている団体が多いです。
打楽器搬入もコンクールでは評価の対象と考えて、搬入に挑むようにしましょう!
ぜひ、参考にしてみてくださいね!
とても細かい内容で、うんうんと頷きながら読ませていただきました。過去にコンクールではないのですが、市の合奏祭で運営関係の方が手伝ってくれたのですが、シロホンの鍵盤の位置をずらされてしまい本当にあわてた経験があります。楽器に触ったことのない方は何をするかわからないと知り、それから後は運搬搬入は丁重にお断りするようになりました。
その通りだと思います。特にたまねぎの下は、そもそも音楽をやるところではないので石畳です。駒のある打楽器系鍵盤やティンパンは辛いです。音も狂うし。
頑張って下さい!
亀田圭子 様
コメントしてくださり、誠にありがとうございます。
吹奏楽コンクールの開催時期ということで、少しでも関係者の方々の参考になればと思い、打楽器搬入について書かせていただきました。
楽器の配置が違うなど、練習の時と少しでも違うところがあるとやはり焦りますよね。
そのような観点からも、打楽器に精通している、もしくは扱い方などについて容易に指導を行える身内の方に搬入補助をお願いするのが最適だと思います。
本番の演奏で重要なことは「いかに練習のときと同じように演奏できるか」だと考えているので、皆様には打楽器搬入を軽視せず、しっかりと取り組むようにしていただきたいなと感じています。