吹奏楽部では、筋トレを取り入れるところが多いと聞きます。
この記事を見てくれている人には、吹奏楽でパーカッションを担当している人が多いと思いますが、パーカッションの人が筋トレをすることに意味があるか気になりますよね。
結論から言うと、筋トレをすることには少なからずメリットがあります。
この記事では、吹奏楽のパーカッション奏者が筋トレをする必要性について解説していきます。
パーカッションに筋トレは必要か?
あなたの部活では筋トレが取り入れられていますか?
学校によって違うと思いますが、筋トレを取り入れているというところも多いでしょう。筆者自身も中学時代は筋トレを部活中にやるということがありました。
インターネットで調べてみると、吹奏楽部で筋トレをすることに対して割と否定的な見方をする人も多いです。
しかし、これは管楽器のパートに限った話であり、パーカッションパートが筋トレをする必要性についての意見はあまり見かけませんでした。
吹奏楽のパーカッションパートだった経験を踏まえて、筋トレが本当に必要なのかどうかについて検討していきます!
まずは、筋トレが必要ないと考えられる理由について解説していきます。
あえて筋トレをする必要はない?
演奏で重要なのは「脱力」
打楽器を演奏する上で重要なことと言ったら何を挙げますか?これは人によって意見が分かれるでしょう。しかし、その答えに、
「脱力」
という人も多いのではないでしょうか?
打楽器を演奏するときは、基本的に力を入れて演奏するということはありません。腕の重さを使ったり、腕の振りあげる高さを変えるなど、重力を利用します。
力を入れると無駄に疲れるし、楽器を傷めることにもつながりかねません。
したがって、筋トレをすることによって力が強くなったとしても、演奏にメリットがないように見えます。
そもそも演奏自体が運動
あなたは、「METs(メッツ)」という単語をご存知でしょうか?「メッツ」とは、運動や身体活動の強度を示す単位で、安静時が1 METsとされています。
この安静時を基準として他の活動がどれほどのエネルギーを消費するかについて示しており、下記の表で様々な活動の詳しい数値を確認できます。
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/programs/2011mets.pdf
例えば、フルートの演奏(座位)は2.0 METs、ピアノ演奏は2.3 METsである一方、基本的な打楽器の演奏は3.0 METs、ドラムの演奏は3.8 METsとされています。
このように、打楽器の演奏は比較的エネルギー消費が大きいです。
軽い筋トレは、3.5 METsですから、打楽器を演奏するだけで軽い筋トレと同等のエネルギー消費が望めると言えるでしょう。
これは「エネルギー消費」という観点ですが、実際に普通に演奏しているだけでも腕の筋力はつきます。
例えば、グーパートレーニング(グーとパーを繰り返す運動)で腕の筋力や握力が増すという効果があるようですが、スティックを動かすときに似た運動をしますよね?
このように、普段の活動で十分に必要な筋力はつけることが出来ると考えれます。
個人的に考える筋トレのメリット
ただし、筋トレがまったく無意味というわけではありません。
吹奏楽の他のパートの人が筋トレをやる意義があるのかどうかは分かりませんが、少なからずパーカッションパートの人にとっては筋力をつけるメリットがあります。
以下で、筋トレををするメリットを2つご紹介します。
クラッシュシンバルの演奏
クラッシュシンバルってそこそこ重いですよね。
大きい(重い)種類から、小さい'(軽い)種類がありますが、多くの部や楽団では所持しているクラッシュシンバルは1種類であり、大抵コンサートで使える大きめのクラッシュシンバルを使っているでしょう!
したがって、特にマーチのようにシンバルを曲中に何度も叩く曲ではかなり疲労がたまります。
これで、腕の筋力がないとなるとさらに大変です。場合によっては、1曲もたないということも十分あり得ます。
したがって、シンバルを演奏する上では腕の筋肉をつけておくことは必須事項です。
楽器の運搬
吹奏楽のパーカッションパートの人ならば、絶対取り組むことになる打楽器の運搬。
軽い打楽器は問題ないと思いますが、重い打楽器だと苦労します。特にChimeの運搬とか地獄ですよね(笑)
また、男性の方だったら重い物を積極的に運搬する必要性が生じます。
運搬は肉体労働ですので、筋力があると便利です。1回で持ち運びできる楽器の量が増えれば、それだけ運搬にかける時間を短縮できます。
スケジュールの関係上、積み込みや運搬を手早く終わらせたいという場合も吹奏楽なら多いですから、この「時短」は意外と重要です。
打楽器の運搬は、多くの場合全員で取り組むでしょう。しかし、打楽器はあくまでパーカッションパートが演奏する楽器ですから、パーカッションパートの人が積極的に動きたいです。
したがって、ぜひ筋力をつけておきたいですね!
専門家の意見は?
打楽器奏者として活躍されている嶋崎雄斗氏が、吹奏楽部の筋トレが意味があるかどうかについての意見を以下の動画で述べていらっしゃいます。
結論を言うと、筋トレには意味があるとおっしゃっています。
その理由を要約すると、
ということです。
プロとして活躍されており、実際に吹奏楽の指導を行っている方の意見はやはり信頼性がありますよね!
[結論]筋トレはすべきか?
いろいろと述べてきましたが、結論としては…
筋トレをやっておいて損はないが、積極的にやるほどでもない
と言ったところでしょう。
1番のポイントは、普段の活動でつく筋力でそれほど問題ないからです。普段から体を動かしている人なら尚更です。
しかし、嶋崎氏も言うように、筋トレをすることに少なくともメリットがあります。したがって、時間に余裕があるのであれば筋トレをすべきでしょう!
では、具体的にどのような筋トレがおすすめかご紹介していきます。
筋トレは何をすれば良い?
パーカッション奏者でつけるべきは、腕の筋肉です。実際、打楽器のプロの演奏家の方で腕の筋肉が発達している人も多いですよね。
腕の筋肉をつけるトレーニングで最も一般的なのは、やはり腕立て伏せでしょう。腕立て伏せは、必要なものが何もない自重トレーニングなので手軽なトレーニングです。
したがって、家で行うことが出来ます。打楽器は基本的に家で出来ないことが多いですから、自宅では演奏の練習をする代わりに腕立て伏せをすることをおすすめします。
正しく行えば、しっかりと腕の筋肉を鍛えることが出来ますよ!
しかし、個人的には楽器を使って筋力をつけることが出来ないかなぁ…と考えていました。なぜなら、自分たちはあくまで打楽器奏者であって、筋肉ムキムキになることが目的ではないからです。
そこで、クラッシュシンバルを用いた筋トレをやっていました。その方法は単純明快です。
まず、クラッシュシンバルを普通に持ちます。そして、その腕を全力で伸ばします。その状態で限界が来るまでキープし続けるという方法です。
一度やってみてください!個人差はあるでしょうが、1分くらいすると「これきっつ!」となるでしょう。筋肉に効いているのがよく分かります。おそらく、筋持久力が向上するでしょう!
筋トレのメリットの1つが「クラッシュシンバルの演奏に役立つこと」ですから、やはりクラッシュシンバルを用いて筋力をつけるのが1番良いでしょう!
最後に
いかがでしたか?
今回は、吹奏楽のパーカッションパートの人が筋トレをするべきかについて解説してきました。
余裕があれば、ぜひ筋トレを取り入れていきたいですね!
今回の筋トレの話以外にも、吹奏楽のパーカッション奏者が知っておいて欲しいことがあります。以下の記事で解説しているので、こちらもチェックしてみてください!
ぜひ参考にしてみてくださいね!
・有酸素運動によって脳の働きが活発になり、集中力が高まる(演奏に有用)。
・(教育的な観点から)学生の健康向上に役立つ。
・運動神経が良いと楽器の上達が早いという前例もあり、運動神経の良さや筋肉が楽器演奏に密接に関わっている。