「Trio per Uno」の第一楽章はアンコンでもよく演奏される曲ですが、コツなどを伝えたサイトは見受けられません。
演奏する際にどのようなことに気をつければよいのか、演奏する際のコツは何かなど気になっていませんか?
この記事では、筆者が「Trio per Uno」の第一楽章を演奏した経験を踏まえて、コツなどを詳しくご紹介していきます!この曲をアンコンで演奏する方は必見です!
始め
“play with timbale sticks“ということですが、普段使っているスティックを逆さにして使用する(つまり、チップ側を持って叩く)のもありです。自分たちが良いと思うスティックを選んでください!(3人で同じものを使用)
スティックを演奏中飛ばしてしまっても大丈夫なように、予備のスティックを備えておくと安心です。
また、スティックが吹っ飛ぶのを防ぐために、以下のようなラバーグリップをつけておくと便利です!
チャイニーズゴングとバスドラは音がこもらないよう、楽器が面に直接触れないように浮かした方が音が飛んで確実に良いです。
例えば、チャイニーズゴングだとスポンジなどを下に置いていました。台とチャイニーズゴングの間に何かを置いておきましょう!
叩いているうちに、テンポがブレることがあります。始めに決めたテンポを一定に保てるように練習すると良いです。
所々に32分音符が出てきますが、雑に叩くと4つの32分音符がつぶれてしまいます。4つの音を均等に出すイメージで叩くと良いと思います!
最初は緊張感を作り出すことが重要です!緊張感を作り出すために、音量を’mp’ではなく、’p’にしても良いと思います(ここでpにしたら、1⃣、2⃣も同様)。そうすることによって、1⃣手前の”sub.f“などを際立たせることが出来、演奏効果が高くなります!
1⃣ ~
2⃣の1小節前が重要です!
アクセントを右手、左手の両方で叩くことになると思いますが、意識しないと利き手じゃない手の方で叩く音量が弱くなりがちです。左右の音量バランスを意識すると良いです。
また、この小節にあるデクレッシェンドで一気にpまで確実に音量を落とすことが不可欠です。場合によっては、4拍目で一気に音量を落とすという演奏してみても良いと思います。
2⃣~
1小節目の2拍目からまたmp(もしくはp)に戻ります。先に上げた音量に引きずられないよう、全体的に静かに叩くイメージを持っておくと良いと思います。
また、2⃣の中だと特に3⃣の1小節前が重要です!
この小節はついクレッシェンドしたくなりますが、クレッシェンドは記載されていません。楽譜に従って、クレッシェンドしないようにしましょう!
ここで、3人のボンゴの音がずれてしまうとかなり印象が悪いです。3人で息を合わせて叩けると良いですね!
また、ここの休符は演奏上かなり重要です!休符は音符と同じくらい大事とはよく言いますよね?休符でブレスをすると合わせやすいと思います。「サプライズ感」を出しましょう!
3⃣~
まず、休符明けの最初の一発は自然に入りましょう!変に上半身を倒したりすると不自然な感じな印象を受けます。
3⃣の2小節目の4拍目は重要なポイントの1つです。適当に流さず、ここは3人でしっかりと合わせるという意識を持つと良いです。
3⃣の3小節目からのユニゾンは、各拍の16分の後ろの音符(左手で叩く音符)が軽くなりがちです。16分音符の左右の音量を均等に出すよう心がけましょう!
4⃣の1小節手前は、32分音符を聴衆にしっかりと聞かせたいです。16分音符よりもしっかり叩く意識で演奏すると良いと思います!
また、各パートの音量が小(パート1の人)→中(パート2の人)→大(パート3の人)になるように演奏しましょう。32分音符だけ取り出して、各パートの音量調節を練習するのも良いですね!
4⃣~
まず、4⃣の1小節目と2小節目のアクセントだけ取り出した時の音を全員が口で言えるようにしましょう。「タンタンタン、タタンタンタ、タンタタンタ、タタッタタッ、タラタラタラ、タラタラタラ」というように。これが、この部分のメロディーになります。
次に、4⃣の3小節目の3拍目のリムショットは雑になってはいけません。勢いで適当になってしまいがちですが、丁寧にいきましょう!
4小節目以降はボンゴが登場しますが、ボンゴの音量>バスドラの音量になると良いです。また、fという音量指定がありますが、3小節目の3拍目と同じffで叩くようにしても映えて良いと思います。
5⃣~
まずは、sub.pなので、4⃣の時の音量から一気に下げましょう。ここで先との音量の違いを出すことが音楽表現上重要です!
バスドラの音にアクセントがついていますが、ボンゴの音をはっきりと出すように心がけましょう!むしろボンゴの音を強調する感じでも良いと思います。
6⃣~
6⃣から8⃣に入るまでは、最も勢いで押し切りがちな部分だと思います。ひとつひとつのリズムに対して冷静に対処し、しっかりと演奏することが大切になります。3人が少しでもずれると、かなり印象が悪いです。
4、5小節目はアクセントやクレッシェンド、デクレッシェンドがありますが、いずれの音も曖昧にならないよう、はっきりと音を出すと良いです。
6小節目からは、ボンゴの音を出来る限り目立たせたいです!したがって、バスドラを叩く際は〇がついている音符は強く、それ以外は弱く叩くようにするとすっきりします。
7⃣~
7⃣も6⃣と同様に、ノリでいかないようにしましょう!
3小節目と4小節目にある、クレッシェンドとデクレッシェンドはしっかりと表現したいです。特にデクレッシェンドの表現を聞かせたいところですね。デクレッシェンドの入る頭にアクセントがあるので、それを無視しないようにしましょう。
8⃣手前の八分休符は2⃣の休符と同様に、重要な休符です。ブレスをとるなどして、しっかりと休符を演奏しましょう!この休符で一旦動きを止めて静止すると良いです。
8⃣~
8⃣からはここまでと場面を一転させるイメージで演奏していきましょう!落ち着いて演奏することが重要です。
また、もし6⃣や7⃣でテンポが速くなっていたとしても、8⃣からは始めのテンポにしっかりと戻しましょう。焦りは禁物です!
1小節目の2拍目などでダブルストロークを使うかもしれませんが、ダブルストロークの2つ目の音はバスドラの反発の関係もあり、曖昧になりがちです。1つ目の音と同じくらいの音量で出せるように練習が必要です。
5小節目で演奏するリズムは、9⃣以降は伴奏のリズムとなります。したがって、この小節のデクレッシェンドで音量をしっかりと落とすことが重要です!
9⃣~
パート1と3の人がメロディー、パート2の人が伴奏となります!
メロディーは、楽に見せつつも歌い込むようなイメージで演奏すると良いです。一方で、伴奏はテンポキープをして、重心を下に下に演奏すると良いと思います。
🔟~
🔟の6小節目までは、9⃣と同様です。メロディーと伴奏をしっかりと分けて、それぞれの役目を果たしましょう!
自分らは、アンコン用に7小節目~11の3小節手前までの間をカットしました。こうすると、確実に5分以内に収まります。
Youtubeには複数の演奏動画があるので、アドリブの部分はそれらの動画を参照しながら作り上げてください!
ちなみに、「VOLTA 3X」の部分は3回繰り返すことになります。’VOLTA‘は、イタリア語で「回、度」という意味です。「3 times」なんかと同じ意味になると思います。
11手前の小節の4拍目は、音をはっきりとクリアに出すよう心がけましょう!
(11以降は□で囲まれた数字で表現できませんでした。)
11~
11からはここまでの雰囲気から一変させましょう!曲の初めの緊張感をここで再度戻します。何かが迫ってくるような雰囲気になると良いかもしれません。
11は終始バスドラを演奏しますが、基本的にバスドラの中心付近で演奏すると良いです。つまり、〇がついていない音符もリム近くというよりは、中心に近い部分を叩きましょう!
1発、1発を正確に打ち込み、テンポが走らないようにする必要があります。特に11の後半部分はリズムが少し複雑なので、正確に刻むようにしましょう。
したがって、7小節目以降の音符は音量を出すことを意識するよりも、正確なリズムで叩く方が重要です。
12~
12の初めの1小節で音量をpからffまで上げる必要があります。したがって、急激にクレッシェンドをかけていきましょう!しかし、このクレッシェンドとともに加速しないように注意が必要です。
2小節目以降、バスドラが常に大音量だとかなりうるさい音楽になってしまうので、2小節目と3小節目でデクレッシェンドをかけると良いと思います。
バスドラの音量を抑えることで4小節目からのボンゴの掛け合いが際立ち、すっきりと聞こえるようになるでしょう!
13~
13からは、チャイニーズゴングが頻繁に登場します。チャイニーズゴングは、真ん中を叩かないと、微妙な音になってしまうので、特に13の頭3小節はしっかりとチャイニーズゴングを見て叩くようにすると良いと思います!
また、13の8小節目と9小節目はそれぞれの3拍目に登場するチャイニーズゴングを左手で叩けるようにしたいです。右手でクロスさせて叩くことも可能ですが、左手で叩く方が見た目がすっきりします!
その場合ダブルストロークを使うことになります。手順としては、各小節の1拍目を「RLRRL」か「RLRLL」のどちらかを選択し、3人で合わせると良いと思います!
14~
14は、各パートの人が間違えずに演奏すれば、いい感じになると思います!しかし、バスドラよりもチャイニーズゴングやボンゴの音を目立たせる意識で叩けると良いです。
特に15手前の2小節はチャイニーズゴングのきれいな掛け合いになるので、バスドラの音量を抑え気味で叩くと良いと思います!
15~
15の初めから終わり4小節前までは、パート1と3の人がメロディーを、パート2の人が伴奏となります。9と同様に、メロディーは歌い込み、伴奏はテンポキープしながら演奏しましょう!
メロディーにおける各小節頭のバスドラにアクセントをつけると、勢いがついてきれいに聴こえると思います。
終わり3小節手前に16分音符がありますが、終わりが近いからと言って雑にしないようにしましょう!音符の間隔を均等に、かつ正確に16分を叩きます。
最終小節はすべての音にアクセントがついているので、どの音も際立たせてフィニッシュを迎えましょう!最後の1発を叩いた後、腕を上にあげるか、そのままにするが本番前に決めておくと見栄えが良いです!
最後に
いかがでしたか?
今回は、「Trio per Uno」第一楽章を演奏するコツなどをご紹介してきました。
この曲は難易度が高く、正確にリズムを刻んだり、3人で合わせられるようになるまでかなりの時間を要します。しかし、曲が完成すると見た目が華やかで、アンコンでいい評価が貰いやすいです!
ちなみに、この曲を練習するとバスドラやボンゴの皮の破損は免れません(笑)特に、ボンゴの皮はあらかじめ替えの皮を購入しておくことを強くおすすめします!
皆さんが素晴らしい演奏をできるよう、応援しています!
ぜひ参考にしてみてくださいね!
コメントを残す