課題曲は毎年出版されているのでその曲数は山のようにありますが、どの曲が人気曲、名曲なのか知りたいですよね。
そんなあなたに向けてお送りしたい、人気のある課題曲、傑作な課題曲を集めてみました!
この記事では、歴代の課題曲で現在も人気のある曲を7曲ご紹介していきます。
五月の風
「5月の風」は1997年度コンクール課題曲で、真島俊夫氏によって作曲された曲です。
真島氏は「富士山ー北斎の版画に触発されて」や「三つのジャポニズム」などの作曲を始め、「宝島」や「オーメンズ・オブ・ラブ」などを吹奏楽版へ編曲した方です。
真島俊夫氏のことは、吹奏楽に携わっている人なら誰しもが知ってますよね!
実は、「5月の風」が課題曲として選曲される前に既に彼は2曲の課題曲を世に送り出しています。さすが真島氏といったところでしょう。
しかし、彼がマーチとして作曲した課題曲は「5月の風」が初めてとなります。
6/8拍子で完成度の高いマーチです。もちろん、人によってどの課題曲が最高のマーチと捉えるかは人それぞれでしょう。しかし、この曲は課題曲におけるマーチの中でも確実に傑作と断言出来ます!
分類としてはコンサートマーチとなります。残念ながら近年のコンサートマーチは、吹奏楽の人気曲「アルセナール」に似ているなんて言われがちです(2021年度、2018年度課題曲)
しかし、この「5月の風」はそんなことありません。今後もこういうコンサートマーチが登場して欲しいなぁ~と内心感じています。
吹奏楽をやっている人なら一度は演奏しておきたいマーチです!
天国の島
「天国の島」は2011年度のコンクール課題曲で、佐藤博昭氏によって作曲された曲です。
佐藤氏は、吹奏楽曲を演奏したことあるなら1度はお世話になっただろうミュージックエイト社の編曲者としてご活躍されている方です。
楽譜を見てみたら「あれ、この曲の編曲者って天国の島の作曲者じゃん」ってこともあるかもしれませんね!
この「天国の島」はTOKIOによるテレビ番組「ザ!鉄腕!DASH!!」のテーマ曲として使われているので、「おっ、この曲何か聞いたことあるぞ」っていう人も多いでしょう。
この曲のタイトルである「天国の島」は、北海道の「天売島(てうりとう)」がモチーフになっています。
この天売島で作曲者の佐藤氏は教師をしており、その経験がこの作曲につながったそうです。
曲は美しく、壮大な作りとなっています。
Soloが曲中にたくさん登場するのも特徴です。Soloパートは、
Picc. Ob. Cl. Bsn. Trp. Hr. Claves Snare Drum
にあります。
先に述べたように、作曲者がミュージックエイト社で働いていることから、「天国の島」の楽譜はミュージックエイト社から販売されています!
ということで、楽譜がない!っていう楽団でもすぐに購入することが出来ますよ!
https://www.music8.com/products/detail17362.php
吹奏楽のための「風之舞」
『吹奏楽のための「風之舞」』は2004年度のコンクール課題曲で、福田洋介氏によって作曲されました。
福田氏は、吹奏楽曲の作曲、編曲やアンサンブル曲の作曲など様々手掛けているので、彼の名前を目にしたことがある方も多いでしょう!
私(筆者)はパーカッションパートだったので、打楽器アンサンブルで彼の名前を知っていました。(福田氏も吹奏楽部でパーカッションパートだったようです。)
テレビ番組「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」の企画で取材されていた淀川工科高校吹奏楽部が課題曲として演奏していたことで話題になりました。
以前はYoutube上に動画が上がっていたので見たことがある人もいるかもしれません。
先の「天国の島」といい、テレビ番組の影響は大きいなぁと感じますよね。
作曲者によると、この曲のコンセプトは「架空の歌舞伎の演目」だそうです。
打楽器奏者であったということでスナッピーがオフのスネアドラムやクラベス、シロフォンなど打楽器の使われ方が上手いなぁと感じます。
さくらのうた
「さくらのうた」は2012年度コンクール課題曲で、福田洋介氏によって作曲された曲です。
先に述べた『吹奏楽のための「風の舞」』と同じ作曲者です。どちらの曲も今なお人気な課題曲というのは素晴らしい業績ですよね!
ちなみに、どちらの曲でも朝日作曲賞を受賞されています。
『吹奏楽のための「風の舞」』も「さくらのうた」も日本的、和の雰囲気を感じ取ることが出来ますが、曲調は全く異なります。
前者はどちらかというとかっこいい曲でしたが、こちらは大変美しい曲となっています。
日本人なら誰もが好きな桜の情景が目に浮かぶでしょう。
歴代の課題曲の中でも有数の美しいメロディーとハーモニーが奏でられる曲で、とても心にしみますよね。
現在は改訂版が販売されており、様々な編成で演奏できるように改変されています。(なんと最低10名から演奏可能!)
https://www.brain-shop.net/shop/g/gCOMS-85098/
あなたの楽団の編成にもきっと対応出来るので、一度演奏されてみてはいかがでしょうか?
風紋
「風紋」は1987年度の吹奏楽コンクール課題曲で、保科洋氏によって作曲された曲です。
保科氏は、吹奏楽コンクールでよく演奏されている「復興」を始め、2021年現在「風紋」を含めて4曲の課題曲を世に送り出しています。
2017年度の課題曲である「インテルメッツオ」は記憶に新しいでしょう!2017年度の課題曲はこちらの記事でご紹介しました。
この「風紋」は、課題曲として発表された後に「原典版」が出版されています。
課題曲としての「風紋」の演奏時間は5分半~ですが、原典版(上記の動画で演奏されている)は、7分強となっています。
作曲者によると課題曲ver.は削りに削った曲なので、「風紋」の良さを感じるためにも演奏する際はぜひ「原典版」を選択して欲しいです。
曲の良さは何とも表現しにくく、陳腐な表現ですがここでは「良い音楽」と言っておきましょう。一度聴いてみれば、なぜこの曲が名曲として名高いのかがなんとなく理解できるでしょう。
何はともあれ、聴いたことがない人は一度聴いてみてください!
この曲の楽譜は、保科洋氏のオフィシャルサイトでレンタルされているようです。
https://hoshina-music.com/works/compositions/windband-compositions/fumon-band
高度な技術への指標
「高度な技術への指標」は1974年度コンクール課題曲で、河辺公一氏によって作曲された曲です。
河辺氏は、翌年にあたる1975年度の課題曲である「シンフォニック・ポップスへの指標」も作曲されています。
「高度な技術への指標」は、課題曲としてドラムスが初めて導入された曲です。
課題曲にドラムスが入っているなんて今となってはとても信じられないですよね!
パーカッションパートからしたら、ドラムはもちろん、サンバの笛とかアゴゴベルとかどういう雰囲気で演奏すればいいんだと困惑しそうです(笑)
名前の通り高度な技術が必要な曲で、当時のコンクールでこの曲を課題曲に設定した中高生の団体のほとんどが金賞を望めなくなるほどだったとか。
これを見ているあなたも、この曲を演奏する際としたら「課題曲なのにこんな難しいの!?」と心が折れること間違いなし(笑)
スウィングやサンバなど、曲調が次々と変わるこの曲は演奏していても聴いていても楽しく、演奏会には持ってこいな曲と言えるでしょう!
楽譜はこちらのサイトで購入することが出来ます。
高度な技術への指標 オリジナル版 河辺公一/作曲 | 国内楽譜 商品詳細 | ヤマハミュージックWeb Shop (yamahamusic.jp)
ディスコ・キッド
「ディスコ・キッド」は1977年度のコンクール課題曲で、東海林修氏によって作曲された曲です。
ちなみに、「東海林」の読みは「しょうじ」です。「とうかいりん」と読んでしまいそうですが、間違えないようにしましょう!
「ディスコ・キッド」は吹奏楽をやっている人なら誰もが聞いたことがある曲です。演奏したことあるっている人も多いのではないでしょうか?
テレビ番組「題名のない音楽会」で行われた視聴者投票で、吹奏楽の人気曲第1位を獲得しており、課題曲の中でも圧倒的な人気を誇ります。
この数年前に課題曲として登場した「高度な技術への指標」でドラムスが使われていることもあり、当時としては突発的に登場したポップス調の曲という訳ではありませんでした。
しかし、今からすると「これが課題曲かよ!」って突っ込みたくなりますよね。
この曲を演奏する際には必ず「ディスコ!」という掛け声がお決まりですが、本来この掛け声は楽譜上にありません。
楽譜に書かれていなかったことが(しかも掛け声が)、一般化するなんて他の曲にあるでしょうか?このことからも、「ディスコ・キッド」が各地で演奏されてきた実績が伺えます。
演奏会やイベントなど、どんな時でも使える曲目なので、ぜひ積極的に演奏してみましょう!
楽譜はAmazonなどで購入することが出来ますよ!
最後に
いかがでしたか?
今回は、歴代の課題曲における人気曲や名曲をご紹介してきました。
課題曲はいずれも選考会を勝ち残った曲なので、よく作られた曲です。しかし、上記の曲はその中でも人気がある名曲と言えるでしょう。
もちろん、ここでご紹介しなかった課題曲の中にも素敵な曲は沢山あります。こちらの記事では、歴代の課題曲をご紹介しています。
ぜひ参考にしてみてくださいね!
コメントを残す