2023年度全日本吹奏楽コンクールの課題曲が発表され、次々とこれらの課題曲の演奏動画をあげている団体が増えてきました!
本年度から課題曲Ⅴがなくなったため、課題曲Ⅰ~Ⅳからの選曲となりますが、どれを選曲しようか悩んでいるのではないでしょうか?
この記事では、課題曲Ⅰ~Ⅳについて詳しく解説していきます!
Ⅰ. 行進曲「煌めきの朝」
まずご紹介するのは、課題曲Ⅰ『行進曲「煌めきの朝」』です!
毎年課題曲Ⅰは朝日作曲賞の受賞作品ですが、今回はマーチ系の作品です。
この曲を作曲されたのが牧野圭吾さんという方なのですが、なんとこの方は2004年生まれの高校3年生(出版時点)!
高校生で吹奏楽コンクールの課題曲に選ばれるような楽曲を手掛けることができるってすごいですよね!
そして本題となるこの曲の特徴としては、作曲者ご本人も語っておりますが、いわゆる「課題曲マーチ」と言われるような形式がとられています。
そもそも朝日作曲賞への応募規定に「技術的にやさしく、親しみやすい」という文言があるので、それに従って課題曲Ⅰは一般的に取り組みやすい曲になりやすいです。
なので、特に中学部門ではこの曲の人気が高くなることが予想されますね!
演奏しやすいということで曲を形にするのは比較的容易ということになりますが、一方で気を付けないと平凡な演奏になりやすい傾向があります。
したがって、この曲を演奏する際は各フレーズの表現を丁寧に行うなど、他の団体と差をつけれるような演奏に仕上げることが必要ですね!
余談ですが、打楽器を演奏する身としてはマーチにVibraphoneが入っているのが珍しいなぁと感じます。個人的には好きです。
Ⅱ.ポロネーズとアリア~吹奏楽のために~
続いてご紹介するのは、課題曲Ⅱ「ポロネーズとアリア~吹奏楽のために」です。
この曲は宮下秀樹さんによって作曲されました。
このお名前を聞いてどこかで聞いたことがあるなぁと思った方もいるのではないでしょうか?
そう、宮下さんは2021年度吹奏楽コンクール課題曲Ⅳ『吹奏楽のための「エール・マーチ」』
を作曲された方です!
[まとめ]2021年の吹奏楽コンクールの課題曲ってどんな曲?5曲まとめてご紹介!
この曲の特徴について、やはり曲名に含まれている「ポロネーズ」と「アリア」が気になりますよね。
まず「ポロネーズ」について、これは「ポーランド風」の意味を持ったフランス語で、ゆったりとした3/4拍子が特徴である曲の形式を表しています。
そのポロネーズの形式で書かれた曲として有名なのがこちらのショパン作曲「英雄ポロネーズ」です。
あまりクラシックを聴かないという方でも、多くの人がどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか?
そして「アリア」は、イタリア語でオペラなどに出てくる独唱曲を意味しています。
例えば有名なものとしては下記のような「魔笛」に出てくるアリアがありますよ。
これらからお分かりいただける通り、この曲はヨーロッパ音楽をテーマに作曲されています!
個人的には、鍵盤打楽器が出てこず、ティンパニやスネアドラムなどを主として使っている点もどこか管弦楽曲に近いところを感じますね。
演奏するには難易度が比較的高めで、仕上げるには時間がかかることが予想されます。
しかし、しっかりと作りこむことができれば高い評価を得ることができることは間違いないでしょう!
Ⅲ. レトロ
続いてご紹介するのは、課題曲Ⅲ「レトロ」です。
こちらは委嘱作品となっておりまして、その作曲者は天野正道さん!
この方は多くの名曲を手掛けており、有名曲を挙げると『「GR」よりシンフォニック・セレクション』があります。
その他にもアンサンブル曲を出版されているイメージがあり、自分も天野さんが作曲された打楽器五重奏曲はとても好きです。
そんな天野さんが作曲した課題曲がこちらの「レトロ」。曲名だけ聞くと交響曲系の音楽かなぁと思いますが…。
実際に曲を聴いてみると、なんとドラムセットが登場しているポップス系の音楽!
これはびっくりですよね!
ドラムを使う課題曲としては、「ディスコ・キッド」や「高度な技術への指標」といった名曲が並びますが、この曲も今後演奏会などで演奏される人気曲になりそうな予感です!
Jazz・Pops系の楽曲として作曲されたということで、曲に登場するJazzの感じがかっこいい。
打楽器を演奏する身としては、ヴィブラフォンが活躍し、4本マレットも登場するのがマジでいいよなぁと思います。
いい意味で吹奏楽コンクールの楽曲っぽさがないので、この曲をコンクールで演奏してどうやって評価されるのかは見ものです。
こういう系統の楽曲で高評価を得るには、相当の練習が必要となると思うので、演奏を楽しみつつもどう表現していくかを考えながら演奏してくださいね!
Ⅳ. マーチ「ペガサスの夢」
最後にご紹介するのは、課題曲Ⅳ『マーチ「ペガサスの夢」』です。
こちらの曲は水口透さんが作曲された曲で、アンサンブル曲といった小編成の曲をよく出版されています。
この曲の特徴はなんといっても6/8拍子。
6/8拍子系のマーチといえば、個人的に97年度課題曲である真島俊夫さん作曲の「五月の風」が連想されます。
この曲は現在も非常に人気のある課題曲ですが、少し似た雰囲気があるのでぜひ聴いてみてください!
本作品のタイトルに「ペガサス (= 天馬)」とありますが、6/8拍子は馬が駆けるリズムと近いところがあります。
この作品はそのような馬の足の動きから着想を得たということで、リズム感がとても気持ちの良い作品です。
こういうリズムに特徴のあるマーチの曲は特にスネアドラムの刻みが重要となってくるので、しっかりとメトロノームでリズム練習することが必須となります!
また、曲の最後が静かに終わるというのもこの曲の特徴で、課題曲マーチとしては少し珍しいのかなぁと感じますね。
非常に心地の良い課題曲マーチなので、一度演奏してみてはいかがでしょうか?
最後に
いかがでしたか?
今回は2023年度の全日本吹奏楽コンクール課題曲4曲についてご紹介しました。
今回のラインナップは、マーチ、交響曲系、ポップス系とジャンルに富んだ作品となっています。
ぜひ、自分たちの団体に合った選曲をして、本番に向けて演奏を仕上げていきましょう!
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